【着用義務化】自転車ヘルメットの完全ガイド
自転車に乗る際、安全で快適なサイクリングを楽しむためには、適切なヘルメットの着用が欠かせません。しかし、ヘルメット選びは一見簡単そうに見えて、実は奥が深いもの。大人用、子供用、さらには頭の形状に合わせたデザインなど、さまざまな要素が絡み合っています。そこで、この記事では自転車ヘルメットの選び方と注意点について詳しく解説していきます。自転車ヘルメットの選び方と注意点が明確になり、あなたにピッタリのヘルメットが見つかることでしょう。安全で快適なサイクリングを楽しむために、ぜひ参考にしてください。
1.自転車ヘルメットについて知っておくべきこと
事故や転倒時に頭部を保護し、重大な怪我や死亡リスクを大幅に減らすヘルメット。面倒で軽視されがちなアイテムですが、大切な命を守るため、自転車乗車時は必ずかぶらなければなりません。
1-1.ヘルメットの役割と効果
WHO(世界保健機関)によると、ヘルメット着用は頭部負傷のリスクを最大70%低減させることができるとの報告があります。また、日本交通安全研究所の報告によると、ヘルメットを着用していた場合、重傷の発生率が約2.3倍低いことが示されています。
実際に2020年に埼玉県で発生した自転車事故では、ヘルメットを着用していた小学生が頭部を保護され、命を救われたケースが報告されています。
自転車事故時に頭部を守り、負傷や死亡のリスクを著しく減らすことができるヘルメットは、自転車を買ったらまず購入を検討しなければならないマストアイテムです。
1-2. ヘルメット着用の努力義務化
改正道路交通法の施行により、令和5年4月1日から自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されました。
これまでは、保護者が13歳未満の子供に対してのみかぶらせるよう努めなければならなかったヘルメットですが、自転車事故で死亡した人の約7割が、頭部に致命傷を負っている事実から、法律が改正されました。
新しい法律では、自転車を運転するすべての人がヘルメットをかぶることに努めなければならないのはもちろんのこと、同乗する方にもヘルメットをかぶらせるように努めなければなりません。また、保護者等の方は、児童や幼児が自転車を運転する際は、ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならなくなりました。
オーストラリアでは、自転車ヘルメット着用が法律で義務付けられており、違反者には罰金が科されまが、法律施行後、自転車事故による頭部損傷の発生率が低下し、全体的な自転車事故死亡率も減少しました。
日本ではまだ努力義務で違反者に対して罰則はありませんが、将来的には罰則が課される方向で調整が進んでいます。
交通事故による被害を軽減するために、子供にヘルメットを着用させることはもちろん、大人もヘルメットの着用に努めましょう。
2.自転車ヘルメットの種類
自転車ヘルメットには、大人用と子供用があり、それぞれの特徴を見ていきましょう。
2-1. 大人用ヘルメットの特徴
大人用ヘルメットは、耐衝撃性や通気性、調節機能など、安全性と快適性を兼ね備えたデザインが特徴です。
CE(欧州の安全規格)やJIS(日本工業規格)などの安全基準に準拠しているものが多く、通気性が高く、通勤や通学など長時間の使用でも快適に過ごせるように設計されています。
安全性と快適性を重視した設計が特徴の大人用ヘルメットは、長時間の使用でもサイクリストに適切な恩恵を与えてくれます。
2-2. 子供用ヘルメットの特徴
子供用ヘルメットは、子供の頭部に合ったサイズとデザインで、保護性能と魅力的なデザインが特徴です。
子供の頭部サイズに合わせて調節可能なストラップやバックルが装備されており、子供が喜ぶ鮮やかな色やキャラクターデザインが取り入れられていることが多いです。
また、SG(製品安全協会)基準で製造されている製品が多く、大人用ヘルメットよりも安全性にこだわっている製品が多いのも特徴です。
子供の頭部に適したサイズとデザインで、保護性能と楽しさを兼ね備えたヘルメットで、お子様の安全な自転車ライフをサポートします。
3.自転車ヘルメットの選び方
自転車ヘルメットを選ぶ際は、安全性、かぶりやすさ&軽さ、空気抵抗の性能、デザインの4つのポイントを考慮することが大切です。
3-1. 安全性で選ぶ
ヘルメット選びで最も重要な要素は安全性であり、公的な安全基準に準拠した製品を選ぶべきです。
CE(欧州安全規格)やJIS(日本工業規格)、SG(製品安全協会)などの安全基準に準拠したヘルメットは、衝撃を適切に吸収し、頭部を安全に保護してくれます。
例えばSMITHの大人用ヘルメットは、MIPS(Multi-directional Impact Protection System)技術を採用し、衝撃を分散させる機能があり、安全性能の高さには目を見張るものがあります。
安全性の高い、最新技術が搭載されたヘルメットを選ぶことが重要です。
3-2. かぶりやすさ、軽さで選ぶ
快適な着用感と軽さを備えたヘルメットを選ぶことで、長時間のサイクリングでも疲れにくくなります。
適切なサイズや調整機能があるヘルメットは、かぶりやすさが向上し、安全と安心を提供してくれます。また、軽量なヘルメットは、首や肩への負担を軽減してくれます。
軽量ヘルメットは比較的高額な商品に多いですが、いちど使うと病みつきになる軽量ヘルメットは、自転車の楽しさを何倍にもしてくれます。
3-3. 空気抵抗の性能で選ぶ
空気抵抗の性能を考慮したヘルメットを選ぶことで、効率的なサイクリングが可能になります。
空気抵抗を減らすデザインや通気性の良いヘルメットは、速度を上げる際にエネルギー消費を抑える効果があります。
空気抵抗を低減する形状と通気性を重視したデザインが特徴であり、競技者や高速サイクリングを楽しむライダーに適しています。
3-4. デザインで選ぶ
好みのデザインやスタイルを持つヘルメットを選ぶことで、自分らしいサイクリングが楽しめます。
ヘルメットを買ったはいいけど、デザインが気に入らなくてあまり使っていない。特に前述の空気抵抗性能が高いスポーツモデルは、性能は素晴らしくてもデザインが街乗りにそぐわないという理由で敬遠される方が多いです。
また、個性的なデザインや明るい色のヘルメットは、他の交通参加者からの視認性が向上し、結果的に安全性が向上する可能性もあります。
毎日かぶるヘルメットだからこそ、気に入ったデザインや色を選びたいですよね。
自転車ヘルメットを選ぶ際は、安全性、かぶりやすさ&軽さ、空気抵抗の性能、デザインの5つのポイントを考慮し、自分に合った製品を選ぶことの重要性を説明しました。世の中にはとても多くのメーカーや製品が存在します。適切なヘルメットを選び、安全で楽しい自転車ライフを満喫しましょう。
4.さまざまな形状の自転車ヘルメット
デザインについて、より細かく見ていきましょう。ヘルメットには様々な形状があり、用途や好みに合わせて選ぶことが重要です。
4-1. スポーツタイプ
スポーツタイプのヘルメットは、軽量で空気抵抗を抑えたデザインが特徴で、競技や高速サイクリングに適しています。
主に趣味やレースで好まれるこのタイプのヘルメットは、効率的な通気性や軽量性が求められます。
比較的高額なものが多く、KABUTOのZENARDなどは、極限まで軽量かつ空気抵抗の低減を実現したハイエンドモデルです。
軽量で空気抵抗を抑えたスポーツタイプのヘルメットで、競技や高速サイクリングを楽しみましょう。
4-2. メットタイプ
メットタイプのヘルメットは、全体的な頭部を保護するデザインで、街乗りやオフロードでの使用に適しています。
このタイプは、頭部の側面や後頭部までカバーする形状で、衝撃からの保護が強化されています。スケボーやスノーボードなどでも採用されているデザインが、カジュアルで街乗りに適したデザインといえます。
Bernのmaconシリーズなどは、メットタイプのヘルメットで、頭部をしっかり保護するデザインが特徴で、デザインと性能のバランスにおいて人気があります。
安全性とデザイン性を兼ね備えたメットタイプのヘルメットなら、毎日の自転車通勤がきっと楽しくなることでしょう。
4-3. つば付き
つば付きのヘルメットは、日差しや雨を遮る機能があり、アウトドアや長距離サイクリングに適しています。
KABUTOのCANVAS URBANなどは、そのデザイン性も相まって、発売以来、自転車通勤・通学者から高い人気を誇っています。
アウトドアや長距離サイクリングでの利用には、日差しや雨を遮る機能を持つつば付きのヘルメットをぜひ検討してみてください。
4-4. 帽子タイプ
見た目が帽子に近く、ファッション性を重視したい人に近年人気急上昇中の帽子タイプ。
デザイン性が高く、普段使いや街乗りに適しているため、女性からお年寄りまで幅広い層から注目を集めています。
KABUTOのSICURE(シクレ)は、その人気から発売以来製品の供給がまったく追い付かず、2023年4月現在、店頭で見かけることがほぼ無いという状況が続いています。
ヘルメットの物々しい雰囲気がどうも嫌だと人は、ファッション性を重視し、街乗りや普段使いに適した帽子タイプのヘルメットを検討すると良いでしょう。
5.フィッティングの注意点
自転車ヘルメットを選ぶ際は、頭の形状の違いやサイズ調整機能に注意して選ぶことが重要です。
5-1. 欧米人とアジア人は頭の形状が違う
欧米人とアジア人の頭の形状は異なるため、自分に合ったヘルメットを選ぶことが重要です。一般的に、欧米人は頭の形状が長めで、アジア人は頭の形状が丸みを帯びています。
頭の形状に合わないヘルメットを選ぶと、不快感があるだけでなく、適切な保護が得られない場合があります。
アジア人向けに設計されたヘルメットは、「アジアンフィット」や「アジアサイズ」といった表記がされていることが多いです。
アジア人の頭の形状に合わせて作られており、快適なフィット感が得られる構造になっています。
5-2.サイズ調整機能がついたものを選ぶ
あごひもやインナーのサイズ調整機能がついたヘルメットを選ぶことで、より安全で快適に着用できます。
ヘルメットのサイズは大まかにS、M、Lなどで表されることが多いですが、サイズ調整機能があることで、個々人の顔の形状や首の太さに合わせて微調整が可能です。
あごひもが適切なサイズで固定されていないと、事故時にヘルメットが脱落するリスクがあります。
個々人の顔の形状や首の太さに合わせてしっかり調整ができる商品を選びましょう。
自転車ヘルメットを選ぶ際に注意すべき点として、欧米人とアジア人の頭の形状の違いを理解し、自分に合ったヘルメットを選ぶことが重要であることを説明しました。
とはいっても頭の形は個人差があるため、実店舗での試着や、サイズ交換可能かどうかを購入前に確認するとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?自転車ヘルメットについて説明してきました。、
・事故時の頭部保護の役割を果たすヘルメットは、着用が努力義務化されている。
・大人用と子供用ヘルメットにはそれぞれ特徴があり、選ぶ際に注意が必要。
・安全性、かぶりやすさ、空気抵抗性能、デザインなどの面から選ぶことが重要。
・スポーツタイプ、メットタイプ、つば付き、帽子タイプなど、形状によって用途や好みが異なる。
・欧米人とアジア人の頭の形状が異なるため、自分に合ったヘルメットを選ぶことが必要。
・サイズ調整機能が付いたヘルメットを選ぶことで、安全で快適に着用できる。
このように、自転車ヘルメットの選び方と注意点を理解し、適切なヘルメットを選ぶことで、安全で快適な自転車ライフを楽しんでください。
Q&A
Q1: 自転車ヘルメットの着用はどの程度重要ですか?
A1:非常に重要で、事故時に頭部保護を担保し、重大なケガや命に関わる事態を防ぐことができます。日本では、ヘルメットの着用が努力義務化されており、近い将来は完全義務化の動きがあります。
Q2: 頭の形状が異なる欧米人とアジア人に適したヘルメットの選び方は?
A2: 欧米人とアジア人の頭の形状は異なるため、それぞれに合ったヘルメットを選ぶことが重要です。アジア人向けに設計されたヘルメットは、「アジアンフィット」や「アジアサイズ」といった表記がされていることが多く、適切なフィット感が得られます。
]Q3: サイズ調整機能が付いたヘルメットのメリットは何ですか?
A3: 個々人の顔の形状や首の太さに合わせて調整ができるため、安全で快適な着用が可能です。適切なサイズで固定されていないと、事故時にヘルメットが脱落するリスクがあるため、サイズ調整機能は必ず必要な機能です。